イベント報告
生き方のコツ死に方の選択

今からはじめる老い支度(静岡・沼津)
第1弾講演「生き方のコツ・死に方の選択」大盛況

 9月7日(静岡)・8日(沼津)13:00~各労政会館にて、全4回シリーズ「今からはじめる老い支度」の第1弾「生き方のコツ・死に方の選択」を開催しました(主催:コープしずおか、ライフサポートセンターしずおか、静岡県労働福祉事業協会、後援:静岡県労働者福祉協議会、静岡県労働金庫、全労済、NHK静岡放送局)。なお、両会場とも、70名前後の方がお見えになりました。
講演する高橋住職
静岡①-3
 講師は、松本市内、神宮寺住職高橋卓志氏。岩波新書「寺よ変われ」等の著書があり、メディアでも注目されています。お寺の住職として数々の葬儀に関わりながら、浅間温泉の廃業した旅館を2件借り、1件はデイサービスもう1件は訪問介護事業を、また、NPO法人ライフデザインセンターでは、成年後見制度の対応を行っており、老病死という厳しい部分を生きている人をやさしくサポートしています。
静岡会場
静岡①-2
 話は映画『おくりびと』からはじまりました。この映画は、青木新門氏の『納棺夫日記』がベースで、その主題は『けがらわしい』。納棺夫が死者に触れる仕事であることから、『死そのものをタブー視する現実がある限り、納棺夫や火葬夫は無残である。』と書かれています。死というものと常に向かい合っていながら、死から目を反らして仕事をしている。これを変えれば葬儀は変わるだろう。『心が変われば行動が変わり世界が変わる』。
 
 住職の心を変えた出来事は1978年。第二次大戦時、日本兵1,000人が一気に亡くなったニューギニア ビアク島への慰霊法要の際、洞窟で読経の最中、ある女性が泣き始め、号泣し、ドロ水に体を叩きつけて気を失いました。たった3カ月の結婚生活後、戦争へ行きここで無残な死を遂げた夫の妻で、住職は、体が震え倒れそうになりお経が読めなくなったそうです。このできごとがきっかけで人生が変わり、いのちに寄り添うことを死者から教えられたのだと語ります。
大雨にもかかわらず大勢の方に参加いただいた沼津会場
沼津①
 生病老死は4つの苦しみ、これを解消・緩和する役割のひとりが私なのだと言います。 
 セミナーの中で、ある女性の亡くなるまでと葬儀までのプロセスが紹介されました。神宮寺では、相談者の想い(リビングウィル)を尊重し、心ある葬儀を手掛けます。人が亡くなると、葬儀社に連絡するのが大半ですが、こちらではまず神宮寺に連絡。火葬の予約や諸々の手配を神宮寺が行い、その後、棺と会葬礼状、ドライアイス程度を葬儀社に依頼します。また、相談者が予め用意していた音楽と写真を神宮寺が編集し、お別れの会でスクリーンに映し出します。今回のセミナーでも、短時間に編集されたものが紹介され、まるで、葬儀に参列しているような気持ちでした。
 搬送についても、死亡診断書があれば個人でもできるそうで、この女性も御主人が車の助手席に乗せて家に帰ったとのことでした。
 
静岡①
 人の死に手を抜かない、旧来式の葬儀では納得が得られない、100人100様の生き方があれば100人100様の別れ方もある、葬儀は誰のものかを考えた時、死者の為だけではなく遺された人のものでもあると檀家さんの立場で考えた神宮寺。本当の意味での葬儀、わかりやすい葬儀システムや低コストなどが、神宮寺への相談や葬儀の申込を増やしている要因であるのもうなずけます。
ライフサポートセンターしずおか

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