イベント報告
今からはじめる老い支度 現代お墓事情

今からはじめる老い支度 現代お墓事情
11月18日(木)、ライフサポートセンターしずおかコープしずおか、静岡県労働福祉事業協会共同主催の「今からはじめる老い支度4回目『現代お墓事情』」を静岡労政会館にて開催しました。今回は、NPO法人エンディングセンター理事長、東洋大学教授でもある井上治代先生を講師に、53名の方にお越しいただきました。
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5年前までは女性が興味深く聞いていた『お墓の話』。この3年、団塊世代が親を送るようになってから、週刊誌で特集を組むと、その週はよく売れるのだそうです。これまで見向きもしなかった人が注目していると言えます。
家制度が基盤であった戦前、旧民法の家督相続により、お墓は代々受け継がれ守られてきましたが、戦後、民法の改正で財産権相続権は平等に、また、高度経済成長とともに家族のかたちもかわりました。家族のライフサイクルも、子ども中心の時代から晩年は夫婦二人、最晩年はどちらかが亡くなり独居となります。介護も昔は家族がやるものでしたが、今は社会化されており、お墓についてもそれまでのシステムを見直し、新しいお墓の在り方や死者供養の社会化を考えなければならない時代になりました。
近年、自分らしさや各人の事情により、跡継ぎを必要としないお墓を選ぶ人もありますが、子供がいても負担をかけたくない、子供が娘だけという人も意外に多いのだそうです。お墓をもたない例としては、永代供養や合葬墓、散骨、樹木葬等がありますが、1980年代は全国4箇所だけであったものが、2000年に入ると600箇所にも増え、横浜市が行政初として、市内日野公園墓地に合葬式墓所を作ったとのことです。既に、跡継ぎ制が機能しなくなる時代が来ており、しばらくすると主流になるのだろうと先生は言います。
井上先生は、アジア圏内のお墓や葬送についても研究し、その一部を写真で紹介されました。
外国では、墓石がベンチ形、バラ、サルビア等の植物を墓石がわりにしたもの、日本では、誰でも入れるよう墓石に名字を入れず言葉を彫り、自然志向(自然に帰る)から、遺骨を直接土に埋め、墓石のかわりに木を植える樹木葬や散骨をされているところもあります。井上先生のエンディングセンターでは、樹木葬(桜葬)を中心に行っています。静岡県内でも、樹木葬や自然葬、散骨をはじめたところがあります。(お問い合わせは、コープしずおか葬祭サービスまで)
どのような形であれ、『今の自分にとってやりやすい方法でお祀りすることが大切です』と締めくくりました。
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