【東日本大震災】静岡県ボランティア協会の110日
~静岡で、岩手で活動し続けている清水さん、横山さんにお話を聞きました~
NPO法人静岡県ボランティア協会は、1977年4月10日に「自由で柔軟な、無限大の可能性を秘めた市民活動を推進するため」誕生し、2002年5月NPO法人格を取得し、今日に至っています。
3月11日(金)の東日本大震災発災直後から、被災地支援にいち早く動き出した静岡県ボランティア協会は、活動支援金の募金、毛布の収集と現地への発送、災害ボランティアの岩手県への派遣など、途切れない支援活動を今も継続しています。そんな同協会の清水さん、横山さんにお話を伺いました。
※以下、敬称は略させていただきます。
LSC:3月11日から今日に至るまでのおおまかな活動内容を教えてください。
清水・横山:あの時は、協会の2010年度事業の総括会議を開いていました。会議の終了間際に地震で建物が揺れ、会議を中止してテレビをつけました。報道される内容を見て、これはただ事ではないという事になり、会議は中止、直ちに情報収集に取りかかるともに、動き出さなければ、と思いました。動き出すために、まずはお金が必要ということで、翌3月12日から、青葉公園で活動支援金の街頭募金を開始。たまたま通りかかった知り合いの中学生が手伝ってくれたり、ボランティアの協力もいただいて、3月一杯続けました。春休みに入ると、学生も多く手伝ってくれたため、50人くらいのボランティアが2カ所に分かれて実施したこともありました。この支援金募金は現在も続いていて、協会で直接受け付けたり、郵便振替で協力願っています。
清水さん
LSC:毛布の募集もありました。
清水・横山:毛布の受け付けは3月13日から開始しました。きっかけは、福島に入ったNPO関係者から、毛布5万枚を集めてほしいとの依頼でした。そこでネットワーク委員会に入っている団体等に連絡を取っているうちに、情報を聞きつけた県外の団体からも、毛布を送りたいとの連絡が入ったりしました。
毛布の受け付けは3月19日に締め切り、合計約22,000枚が集まりました。毛布は置き場所が必要なため、協力を申し出ていただいた浜松の運送会社さん等の協力を得て、次々と山形、福島、岩手に向けて送り出しました。
ボランティア情報しずおか2011.4号より
LSC:そのように大量の毛布を送るという活動は、初めての経験だったのでしょうか。
清水・横山:1997年1月のロシアタンカー重油流出事故の際、タオルや軍手を送ったことがありました。しかし毛布のような大きな物は、置き場所を取るので、苦労しました。非常に多くの方が毛布を提供・送付くださり、想定外の量に事務局はパンク状態になりました。そこで急遽電話やインターネットでボランティアを呼びかけたところ、多くの方に駆けつけていただきました。英和女学院の生徒さんが、学校の帰りに寄って手伝ってくれたこともありました。
持込みされる以外にも、日本全国から宅配便で大量に届きました。皆さんの「何かしたい」との思いを強く感じました。県外から直接運んでくださった団体もありました。
毛布といっしょに、1枚につき¥1,000の送料カンパも呼びかけました。
送料のみのカンパ、毛布ボランティアへ差し入れをする「支援する人を支えるボランティア」もいました。震災直後最初の土曜日に、車で毛布を届けて下さる方が多く、毛布ボランティアにやってきた方が、本業でもある誘導係を引き受けて下さり、交通整理をしてもらったこともありました。
横山さん
LSC:4月7日以来毎週災害ボランティアバスを出されていますが、いろいろ御苦労もあるのではないですか。
清水・横山:やはり安全第一ですから、その事は常に考えています。災害ボランティアの募集を開始すると、すぐに予定枠が埋まってしまい、多くの方をお断りせざるを得ないのが心苦しい思いです。皆さんの思いを受けとめることができないわけですから。
また、協会のスタッフでは人手に限りがあるので、通常業務と並行して支援活動をして行くことも、楽ではありません。
LSC:清水さんは3回、横山さんは2回、災害ボランティア隊長として岩手県に入っているわけですが、苦労話をお聞かせください。
清水:あくまでもボランティアで行かれる方々が主役なので、私たちは、その方々を支える役割だと思っています。雨が降って活動ができないときは、どうしようかと悩んでしまいますね。
横山:体調不良の方が出ると、その方のケアをするわけですが、そうした方も思いがあって参加されているんだ、とういうことを考えさせられました。
LSC:県ボランティア協会が、大震災への対応を含め、こうした活動を継続するためには、応援してくださる方が多い方が良いと思うのですが、会員制度があるそうですね。
清水・横山:個人正会員一口3,000円/年、団体正会員一口10,000円/年のほか、賛助会員制度もあります。是非多くの方に会員になっていただければと思います。
LSC:最後に、東日本大震災で被災された方々への支援について、何かコメントがありましたらお願いします。
清水:被災された方々は、自分たちのことが忘れられてしまうのではないかという事を恐れています。そうした人たちのことを忘れないでほしい。特定の人達だけが支援するのではなく、皆で一緒に応援しようという気持ちが大切だと思います。
横山:支援はこれからも続きます。県ボランティア協会の活動をずっと見守ってほしいと思います。
災害ボランティア支援募金も継続して受付中です。
ライフサポートセンターしずおか