インターンシップを経験して
静岡大学人文学部法学科3年 五島大介
私がライフサポートセンターしずおか(以下LSC)にインターンシップを申し込んだのは、勤労者の方がどのようなことに悩み、それに対してどのように相談業務に対応しているのか興味を持ったからでした。実際には、LSCしずおかでは労働問題だけではなく、あらゆる相談を受けていて、「来る者拒まず」の精神で対応していることを聞きました。
そのほか、LSCの相談事業は、相談に適切に対応する機関、行政の窓口を紹介するという形を採ることから、多くの紹介先を持つことが大切であると教えていただきました。その相談から、社会のニーズを読み取り、もう一つの事業である「生きがい作り」に関するセミナーに反映され、他団体とのつながりもよりよいセミナーの開催に一役買っていることを聞きました。
他者との関係・つながりがLSCを支えていることを実感すると共に、それが社会に出る上で非常に大事なことだと感じました。だからこそ、コミュニケーション能力が問われ、マナーが注視されるのだと思いました。
また、LSC設立当時の苦労話や、実際に普段相談業務をしている現場を見るという貴重な経験もできました。
ライフサポートセンターしずおかにて
LSCでのインターンシップでは、上記のようなLSCの業務について説明を受けた後に、様々なNPO法人を訪問し、また、セミナーの運営に関わることで、貴重な話を聞くことが出来ました。NPO法人e-Lunch(ITを通して女性の就労を支援・ネットの危険性を教育)代表松田直子さんの話では、社会のニーズを読み取ることで事業が拡大したこと、新たな事業への意欲、悩むより行動することの大切さを教えていただきました。
e-Lunchにて松田理事長(左端)よりお話を伺う
NPO法人静岡県ボランティア協会では、鳥羽茂事務局長に話を聞きました。早急に東日本大震災に対応したこと(3月12日の時点で街頭ボランティア実施、災害ボランティアの拠点建築に着手など)、ボランティア協会の職員の方は、4~5回東日本大震災の被災地で活動しているという話には感心すると共に、自分が行動できていないことが恥ずかしくなりました。
また、ボランティア協会の職員の方は、かなり多忙ということですが、職員の方々は活き活きと業務に取り組んでいて、業務の説明を受けたときや、被災地の写真を紹介してくださったときにもそれを感じました。
静岡県ボランティア協会にて鳥羽事務局長よりお話を聞く
NPO法人WAC清水(介護事業・たすけあい活動などその事業は多岐にわたる)では、鈴木明与理事長に設立の趣旨、事業の内容などをお聞きしました。WACでは、社会のニーズを敏感に読み取り、率先してデイケアやホームヘルパー試験対策などを行い、満たされていると感じるとまた別のニーズに応じた事業を開拓していることを聞きました。また、介護事業においては規格内の活動にとどまらず、高齢者の方のために旅行や墓参りを実現させようとしているということで、本当に相手のことを思いやって活動されているのだと思いました。
また、実習もさせていただき、高齢者の方と一緒に体操をしたり、歌を歌ったり、お話をさせていただきました。初めはどのように接すればよいかわかりませんでしたが、職員の方や高齢者の方のおかげで、楽しく過ごすことができました。また、高齢者の方も活き活きしていて、こちらが元気をもらうほどでした。
セミナーでは、会場準備や受付をした後に7大陸最高峰を登頂した田部井淳子さんの話を聞きました。田部井さんは、年間150日山に登るほか、新しい趣味を見つけたらすぐに目標を立て行動する方で、その行動力はすごいと思いました。「密度の濃い生き方、生まれてきてよかったといえる生き方をする」ことについて話されていましたが、それが実践されているのはこの行動力の賜物ではないかと思い、自分もまたこのような行動力を身に着けたいと感じました。
セミナー「明るく元気にまだまだこれから!~世界の山々をめざして~」の準備
今回のインターンシップで関わった方は皆、忙しいながらも活き活きとしていて、仕事に対して熱心に取り組んでいらっしゃって、自分自身もがんばろうと思うことが出来ました。また、LSCの業務説明を受けたり、NPO法人訪問を通したりして、人と人とのつながりが社会に出る上で大事なものであることがよくわかりました。そのためにも、マナーなどにこれから注意していく必要があると感じました。
また、皆さん積極的に取り組む方ばかりで、その行動力には感心すると共に、今の自分が身に着けなければならないものだと感じました。特に、今回のインターンシップではもっと積極的に動ける場面があったと思うので、もっと自分から行動するように反省したいと思います。
そのほか、社会のニーズに応じることなどの重要性を学んだと思います。そのために新聞などを通じて色々な情報に常に触れておく必要性を感じました。
今までは、就職するに当たっては民間企業か公務員かという大雑把な分け方からしかアプローチしていなかったのですが、今回このような人の役に立つためのNPOが多数存在することを知り、視野が広がったようにも感じます。
最後に、今回のインターンシップではご多忙の中、丁寧に迎えてくださったLSCしずおか、e-Lunch、静岡県ボランティア協会、WAC清水の皆さんには本当に感謝しております。普段の学校生活を送る過程ではなかなか体験できないことができて、自分自身にも刺激になり、色々学ぶことも出来ました。
これから就職活動を迎えますが、学んだことを生かせるようにがんばりたいと思います。本当にありがとうございました。