もうすぐ夏休み!こどもを犯罪からどう守る?
~事件解決や犯人の心理に迫る、犯罪者プロファイリングの知識を防犯に役立てる~
2014年7月11日(金)18時30分~20時、ALWFロッキーセンターにて、標記セミナーを開催しました。(主催:(公財)静岡県労働者福祉基金協会、後援:静岡県、静岡市教育委員会、静岡市PTA連絡協議会、(一財)静岡県労働者福祉協議会、静岡県労働金庫、全労済静岡県本部、生活協同組合ユーコープ 参加者:28名)
講師は、犯罪心理学の専門家で”世界一受けたい授業”をはじめとしたテレビ番組やニュースのコメンテーターで活躍中の桐生正幸先生(東洋大学社会学部心理学科教授、元山形県警察本部科学捜査研究所主任研究員)です。こどもを犯罪から守るための知識を犯罪者プロファイリングの観点からお話していただきました。
【講演要約】
これまでの地域防犯対策は様々な効果をあげているが、今後は犯罪者の特性を考慮して合理的に活動すべき。
犯罪者は犯罪がやりやすい場所で行動をおこす。ある地域が防犯活動を熱心に行うと犯罪がやりにくくなり、他の地域で犯罪を行うという「犯罪の転移」現象がある。そもそも、犯罪者を無くすことが、これからの防犯活動の考え方として重要。
犯罪心理学とは、犯罪事象を数字で客観的に捉え、科学的に分析・研究をする。日本の治安は今も他国に比べれば良い。ただし、女性が被害にあう事案は増えており、これが今の日本の課題。
また、犯罪心理学の中で一番研究されているのが「犯罪者プロファイリング」。
犯人がどのようなカテゴリーに属するのかを、どの地点を生活エリアにしているのか等を分析するのが犯罪者プロファイリングであり、これら分析結果を捜査側に提供する。
粗暴犯などの犯人は突然やってきてすぐ逃げていく。変なおじさんを見たら逃げろ、というのはこどもには判断が難しく、加害者は、幼児対象では10歳、30歳台が多く、小学生対象では10歳、20歳台が多い。
今後は「攻めの防犯活動」が必要だと言える。
警察では事件発生の場所や概要などをインターネット上に掲載している。こうした資料を活用すると良い。
また、ひったくりが発生したすべての場所に「ひったくり注意!!」のポスターを張り出したところ、ひったくりが減った事例がある。発生場所をマッピングして防犯カメラを設置しようとする事例もある。犯罪を分析して行政、警察に働きかけるのも良い。事件発生場所の特徴を分析すると、次に犯罪が起きそうな場所を推定することもできる。
SNS等バーチャルな空間での対策も急がれる。SNSが無料で使えるのには訳がある。
例えばLINEの問題としては、
1.「いじめ」の問題
2.「出会い系サイト」などの犯罪被害
3.個人情報の抜き取り
などがある。いまや子供達は、リアルな空間とバーチャルな空間を行き来している。LINEはずし、置き去りなど。
また、「SNS疲れ」の問題もある。厚労省の調査では、ネット依存が疑われる中高生は、全国で51万8000人と推定されている。
ネットで知り合った人とすぐに出かけてしまうなど、やってはいけない事を大人はこどもに伝えなければいけない。
ライフサポートセンターしずおか