My Life My Way
静岡の良さを上海の人たちに紹介したい
シー・ヤー・シュアンさん
【中国上海(シャンハイ)出身。小さい頃から世界を見たい、という思いを強く持ち、来日。現在静岡市内の大学で国際関係を学ぶ4年生。昨年から今年にかけてはイギリスにも留学、視野を広めた。日本語、英語を流暢に話す。生活費、学費はすべてアルバイトで捻出。大好きな静岡は、故郷上海では意外に知られていない。静岡を上海の人に知って欲しいとの思いが募る】
-中国ではどんな学生時代を過ごしましたか。
両親は上海出身ですが、父の職場が諸葛孔明で有名な湖北省に変わり、そこで育ちました。私が中学生の時に家族は上海に戻り、私も上海の中学に入りました。その後高校を経て専門大学に進みました。
-上海に戻ったとき、苦労はありましたか。
慣れるのに大変でしたが、この時代にできた友人が親友となりました。
-大学卒業後の経過を教えてください。
いったん中学校教師になり、その後退職して来日。静岡の日本語教育センターで日本語を勉強し、静岡の大学に入学しました。
-費用負担が大変だったんじゃないですか。
来日時に必要な費用の一部は両親が貸してくれました。その後はイギリス留学費用も含め学費も生活費も自分で働いて賄って来ました。両親から借りたお金も返しました。
-国際関係を学ぼうとしたのはなぜですか。
中国の大学では化学を勉強しましたが、世界の政治や経済を幅広く学びたかったからです。
-日本の大学に入ったときに、どんなことを感じましたか。
クラスが無く、大きい授業は200人、小さい授業は5~6人ということに戸惑いました。また、週5~6日はアルバイトが入っていたのでサークルに入れなかったのですが、大学ではサークルで友達ができることを後から知り、入っておけば良かったと思いました。
-ロンドンでの生活はどんなでしたか。
日本に来る夢も、一度はあきらめましたが、叶いました。ならばもっと世界を見たい、と思いました。中国で英語も習っていたので、もっと英語を勉強したくて渡英しました。授業は午前、午後は有名な大英博物館の読書室で勉強したり、ロンドン三越でアルバイトをしたりしました。1年間のロンドン滞在で得たものは、英語力、面白い日本人の友達、世界の広さ、人の考え方の多様性など。人はそれぞれ自分の価値観でものごとを見てしまいますが、ロンドンは多様性に寛容な街。私自身、心が広くなったと思います。
-シーさんの夢を教えてください。
大きく言えば日中交流に役立つことです。文化交流に役立ちたい。現在も折に触れ、そうしたイベントがあれば参加するようにしています。
【取材メモ】シーさんの、世界を知りたいという思いの強さには感銘を受けました。また、静岡が好きだということも、地元生まれとしては嬉しい限り。ずいぶん苦労をされたことと思いますが、それに負けないエネルギーが、周りにも伝わってきました。