就職とは違う働き方~社会的起業のコツ~ セミナー開催
6月19日(水)、18時よりALWFロッキーセンターにてロッキーカレッジ『就職とは違う働き方~社会的起業のコツ~』を開催しました。当日はあいにくの雨模様の中、定員を上回る40名のご参加をいただき、10代から70代までの幅広い世代の方々が受講されました。(主催:(公財)静岡県労働者福祉基金協会(ライフサポートセンターしずおか)後援:静岡市・静岡県労働者福祉協議会・静岡県労働金庫・全労済静岡県本部)
講師は、市内葵区でフェアトレードショップTeebom(テーボム)を営む今井奈保子さんです。
今井さんは、大学卒業後、青年海外協力隊で訪れたスリランカでの、貧困にあえぐ農村地帯の人々とのかかわりの中で、同じ国に住み同じ言葉を話し、同じ文化を共有している人たちの間にある「格差」や「不公平」を少なくするために、自分が何かをしたいと強く思い、フェアトレードにたどりついたそうです。フェアトレードとは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で、継続的に購入することで、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す貿易のしくみです。
日本では、他の先進国に比べフェアトレードの普及率が低く、また小売店では扱っている商品が似通っているため、生き残りが難しいといいます。
今井さんは、これまでの海外経験や留学経験を生かし、民族的なもの・質のよいものを現地と直接取引し輸入販売することで、商品開発や他のフェアトレードショップとの差別化を図り、「なくてはならない存在」として地元消費者に必要とされるお店を目指しています。
<今回はインドのマランマさんとスカイプでつなぎ、実際のやり取りを見せていただきました。商品開発のエピソードもご紹介いただきました。>
また、「成功事例が少ないため、今後の方向性について絶えず不安が付きまとう、経済状況を客観的に見る事が難しい」など、事業を進めていく上でのご苦労も話されました。同時に、ネットワークづくりの大切さも実感されており、一人で出来る事には限りがある為、ネットワークづくり・仲間づくり、アイディアや人的ネットワークを駆使して、低予算で高付加価値の商品づくりも進めているそうです。
昨年は、フェアトレードやコミュニティトレードの普及拡大を目的とし、仲間と共に「フェアトレード・コミュニティしずおか」という任意団体を設立。5月には県内初のフェアトレードに特化したイベントの企画運営に参画しました。自らの組織拡大ではなく、共通の方向性を持った人たちと協力しながらできることから広げていく中で、経営基盤の構築と、ネットワークの拡大にご尽力されています。
また、ビジネスモデルと今後のプランにもふれ、「5年後、10年後を具体的にイメージする・目標に向かう姿勢を絶えず持つ・まずは自分一人でできることから、そしてできること、できそうなことには積極的にチャレンジする、起業する目的を明確に持つ、たくさん儲けるだけが事業の存在価値ではない…」事業に向ける今井さんの熱い思いが伝わるセミナーでした。
<セミナーの休憩時間に、商品を前に、その商品の成り立ちや作っている人たちの背景を説明する今井さん。一つ一つの商品に対する、今井さんの深いこだわりや思いが感じられました。>
ライフサポートセンターしずおか