2016年2月13日、3.11を忘れない映画会 「生き抜く 南三陸町 人々の1年」の上映と対談をグランシップ映像ホールで開催しました。
この作品は、毎日放送(大阪)が制作したドキュメンタリーで、2011年、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)発生後、東北を目指して出発した毎日放送スタッフが、28時間後にたどり着いた宮城県南三陸町を1年に渡り取材、その記録を映画化したものです。静岡では初上映となりました。
映画では、穏やかな生活が突然奪われた南三陸町で暮らす4人の1年に焦点をあて、それぞれが抱える悲しみや苦しみという現実に向き合いながら必死に生きる姿など、メディアでは取り上げられていない「本当の被災地」を映し出しました。
上映後は、この映画のプロデューサーで毎日放送報道局 ニュース担当マネージャーとして活躍される 井本里士さんと、内科医で防災士、東日本大震災では神奈川県医師会初の医療支援で南三陸町に入った鎌倉のさかい内科・胃腸科クリニック院長の酒井太郎さんによる対談を行いました。(酒井さんは、数年前に鎌倉でこの映画を上映した主催者で、現在も被災地支援をされています。)
対談では、井本さんから関西の放送局が南三陸町に密着し、テレビで放送した3作品を改めて映画化した理由について、阪神淡路大震災での経験を挙げ、被災地のメディアは日々の情報を流すことに忙しく密着取材が難しいこと、テレビ局の社会的使命として、記録を映画に残すことが後に思い出すきっかけになればと思ったと話し、酒井さんは、支援者として被災地に入ると朝から夜まで活動が忙しく、写真等の記録を残すことができない。今回提供した写真も一緒に行った仲間が撮ってくれたもの。この映画があることで、多くの方に震災の悲惨さをずっと伝えることができるのでとてもありがたいと話しました。また、生き抜くの続編として「生き抜く~その後~」の制作も考えていきたいと触れました。(写真 左:井本里士さん、右:酒井太郎さん)
終了後ロビーでは、井本さんや酒井さんと話しをしたり、酒井さんと南三陸町役場よりご提供いただいた当時の南三陸町の写真をご覧になる参加者の姿が見られました。あの日起こった出来事を風化させてはならない、この間南三陸町に寄り添ったお2人の想いを強く感じた1日でした。
(主催: 静岡県労働者福祉基金協会 ライフサポートセンターしずおか事業部 /後援: 静岡県、静岡市、静岡県労働者福祉協議会、静岡県労働金庫、全労済静岡県本部 、生活協同組合ユーコープ)